「塾を辞めたい」。中学受験の伴走をしていると、一度はこの言葉が出てくる家庭は多いと思います。我が家でも、上の子が小5の夏期講習後と受験直前に口にしたことがありました。そのたびに「どうしたらいいんだろう」と悩んだのを覚えています。
結果的に我が家は2人とも塾を辞めずに受験を終えましたが、辞める・続けるの判断は本当に難しい。今回は、同じように悩んでいるママに向けて、判断の基準や辞めた後の選択肢を整理してみたいと思います。
「辞めたい」にはいくつかのパターンがある

ひとくちに「辞めたい」と言っても、その背景はさまざまです。まずパターンを整理しておくと、対応が変わってきます。
一時的な疲れや気持ちの波
テストがうまくいかなかった、宿題が多すぎてしんどい、友達とトラブルがあったなど、一時的な出来事がきっかけのケースです。少し時間をおくと気持ちが落ち着くことも多く、すぐに結論を出さない方がいい場合もあります。
我が家の場合、誤魔化してとりあえず塾へ行かせると「やっぱり塾って楽しい!」と嬉しそうに帰ってくるというパターンはとても多かったです。気が進まない程度であれば、背中を押して行かせるのも悪くないと思っています。
塾や先生との相性が合っていない
授業のスタイルや先生の教え方が子どもに合っていない、という場合です。本人が「先生が苦手」「授業がわからない」と繰り返し言うようなら、環境を変えることを検討する価値があります。
もちろん、別の先生への交代やクラスの変更などの塾内でできる対応もあります。辞めるという決断の前に幅広い目線で見ることが大切だと思います。
目標や志望校が変わった
受験をやめたい、志望校のレベルを上げたい・下げたい、など方向性が変わったケースです。塾のカリキュラムや目指すレベルと、子どもの現状や意向がずれてきたときに起こりやすいです。
この場合は、明確に辞める方向へ動いて良いでしょう。ただし、その後どういう道へ進むかある程度方向性は決めておくべきだとは思います。退塾を希望すると引き止められるケースが多いので、その際にハッキリと説明できるだけの理由は整理して持っておくほうが無難です。
続けるか辞めるかの判断基準
「辞めたい」という言葉が出たとき、どう判断すればいいか。私が大切だと思うのは以下の点です。
体調やメンタルに出ていないか
腹痛、頭痛、夜眠れない、急に泣く、学校も行きたがらない……こういった状態が続いているなら、塾を続けることより子どもの状態を優先する必要があります。無理をさせて勉強嫌いになってしまう方が、長い目で見てよほど損失が大きいです。
余談ですが下の子が鉄緑会を辞める決断を下のは、体調に不調が出たからというのが1番の理由です。
本人の意思が明確かどうか
「なんとなく嫌」ではなく「この塾は合わない」「受験をやめたい」と本人が明確に言っているなら、その言葉を軽く流さないようにしたいところです。子ども自身が自分の状態をわかっているサインかもしれません。
辞めた後のイメージが持てているか
辞めた後どうするか、何も考えずに辞めると宙ぶらりんになりがちです。次の選択肢がある程度見えている状態で判断できると、動きやすくなります。
辞めた後の選択肢
塾を辞めることは、受験をやめることではありません。辞めた後にどんな選択肢があるかを知っておくと、判断がしやすくなります。
転塾する
今の塾が合わないだけで、別の塾ならうまくいくケースは多くあります。授業スタイルや先生との相性、宿題の量など、何が合わなかったのかを整理してから次の塾を探すと選びやすくなります。
ただし、カリキュラムの進行度や順番に違いがあるため、転塾にはリスクが伴うということは頭に入れておいたほうが良いでしょう。
個別指導・家庭教師に切り替える
集団授業のペースについていくのが難しい、苦手科目だけ手厚くサポートしてほしい、という場合に向いています。費用は集団塾より高くなりやすいですが、子どものペースに合わせやすいのがメリットです。
ちなみに、個別指導や家庭教師は併用という使い方もよく聞きます。我が家は今現在まで併用したことはないのですが、今後上の子の大学受験では併用も考えています。
独学・通信教材に切り替える
自分でコツコツ進められるタイプの子なら、通信教材や市販テキストを活用して自宅学習に切り替える選択肢もあります。費用を抑えられる反面、管理や継続のサポートは親の負担が増えます。
実は、上の子はZ会を
中学受験自体をやめる
これも立派な選択肢のひとつです。無理に受験を続けることより、公立中に進んで高校受験で勝負するというルートもあります。子どもの状態や家庭の状況によっては、受験そのものを見直すことが最善になる場合もあります。
転塾した友達が、入学式で再会した話

最後に、少しあたたかい話をひとつ。
下の子の塾に、仲の良い友達がいました。志望校も一緒でお互い頑張ろうと言っていたのですが、その子は途中で担当の先生との相性が合わず、転塾することになりました。転塾は突然で挨拶もろくにできず。さらに転塾後は連絡を取ることもできなかったので、疎遠になってしまいました。
時は流れ、下の子の入学式の日。入学式を終えた後に「母さん、あの子、⚪︎⚪︎(転塾した子)だと思う」と下の子が人混みの方を指さして呟きました。呟くとほぼ同時にその子に向かって走り出し、声をかけたのです。まさかの同じ学校の生徒として再会することができたのです。突然の転塾だったのでお互いどうしたのか気になっていたと、下の子はとても嬉しそうにしていました。違う塾でそれぞれの受験を乗り越えて、同じ学校に縁があったという話は、聞いていてこちらまで嬉しくなりました。
塾を変えても、縁はつながるものだなと感じたエピソードです。
最後に
塾を辞めることは、逃げではありません。合わない環境を変える、子どもの状態を優先する、それは立派な判断だと思います。
「せっかく通わせているから」「今さら辞めにくい」という気持ちはよくわかります。でも、一番大切なのは子どもが受験を終えたとき、どんな状態でいるかだと思っています。塾を辞めても受験はできる。受験をやめても人生は続く。少し立ち止まって、子どもの顔を見てみてください。



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